これまで、いくつかオーストラリアで手に入る低フォドマップ食品についてブログで紹介させていただいています。
過敏性腸症候群はとても複雑です。
いつもと同じものを食べていても、体調によっては症状が出てしまったり、個人差があるため同じものを食べても症状が出ない人や出てしまう人がいます。その事も、オーストラリアの専門家はきちんと患者に伝えていますし、特別なプログラムで患者自身もしっかり勉強します。長期に渡るマネージメント方法ですので、しっかりコントロールしながら、症状を起こさない状態にし、さらに日々のQOLをあげていくという方法です。もちろん、最終的には制限だけではなく、そこに『食べる楽しみ』も加えていく必要があります。お母さんなら子供に誕生日のケーキを食べさせてあげたい、他の子と同じように楽しんでもらいたいと願うと思うのです。自分以外の家族は腸に問題がなく、自分の食べることができない普通の食事も作らなければならない人だっているのです。それをどうやって管理しながら、生活を楽に無理なくやっていくか。それを実現する事が本当のQOLの向上だと思うのです。
もちろん人種による差もありますので、オーストラリアに研究結果が日本人に100 パーセント当てはまる訳ではありません。これは、薬でも、代謝でも、何にでも言えることです。
日本人の腸は長いため、食物繊維にはとても敏感な方が多いと思われます。しかしそれも個人差がありますのでトライ&エラーの繰り返し、最終的には自分の体の反応を見る必要があります。
上記のことも含めた上で、phase1, phase2の後の生活で食の楽しみを広げてくれるものとして紹介をさせていただいています。アレルギーではありませんので食べる/食べないはご本人が選択すれば良いのです。
ですので
決して症状が出ないと保証したり、
安易に勧めたり、
見せびらかしたり、
している訳ではありません。
どうしても、個人差がありますので自分の身体としっかり向き合って行かなければいけません。グルテンがダメなセリアックの方のフォーラムでも、『〇〇を食べて、Aさんは症状出ていないのに、私は出てしまった、、、』という内容も時々聞きます。
低フォドマップの第一の目的は、辛い症状から脱出すること
これは人の人生を大きく変えるほど、外せません


しかし私が目指す更なるステージ・・・
それは第一の目的に「ホリスティック」な考え方を取り入れたもの。
低フォドマップは体に、腸に、何を入れるか?そうしたら体がどう反応するか?に焦点を当てています。
それももちろん大事ですが、「心と身体のつながり」を無視してはいけないと思うのです。
食事制限は、食べたいのに食べることができない「悲しさ」が少なからずあります。
低フォドマップ食の人が高フォドマップ食材を目にすると、一瞬たりともネガティブな感情が起こります。
「これは食べちゃいけないやつだ!」
「症状出るかも・・・?」
・・・もうその時点で、自律神経がビビッ!と反応してしまい、消化吸収に影響が出るのは当然です。
『気分が一瞬でも下がる→消化不良おこす→消化機能下がる』の悪循環です。
皆と同じものが食べられない、という感情だけでもうその食べ物は100%吸収されないと思うのです。
しかし、「考え方を変えなさい!」というのはとても酷な話です。
制限があっても、なるべく普通の人と同じように食事をしたい。
皆で楽しみながら食べると、やっぱりちがうのです。栄養・吸収の面でもやっぱり何倍も利点があります。だから、最終的にそうするべきだと思うのです。そうできるような方法を、上手な付き合い方を、探していくほうに指導していくのです。
これは長期に渡るマネージメント方法です。だからこそ、食の楽しみは外してはいけません。食べる時は楽しく、美味しくいただき、食べることに感謝できるようになること。それがもう一歩先を行く、オーストラリア式の低フォドマップだと思うのです。
残念ながら、万人にOK!と言えるものはなく、自分の身体で反応をみるしかないのは事実です。
日本でもう少し低フォドマッパーの方が暮らしやすくなる日が近くなることを強く願って書かせていただいています。
その辺り誤解されませぬよう、よろしくお願いします。
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