メルボルンはアートでも有名な街
この日は人生初、VR filmを使ったパフォーマンスアートを体験してきました
どんなアートかと言うと、統合失調症の人の世界観をバーチャル体験するというもの。
その名も❝The Door in Question❞
ディレクターさんのお母様が統合失調症であり、様々な幻覚をお母様が『どのように見えているのか』を研究し、それをアートにした作品。
ロックダウン前にチケットを予約していたのですが、ロックダウンが長引いたために延期になっていました。そしてちょうどリスケジュールされた日にちと時間が、薬局シフトとたまたま被っていなかったので、幸運なことに参加できました
でも午前中に受け持っていた日本語の授業が延長してしまい、しかも土曜日だったので道が渋滞開始3分前にギリギリ到着(焦った~)
初めにインダクションがあるのですが、言われたことは『最初に椅子に座ってね。でもその椅子には車輪がついているから気をつけて。そしてヘッドセットとVRヘッドギアを装着して。これ(携帯電話を渡される)を持って。途中で電話がかかってくるからanswerしてね。』とのことでした。
えー、一体、何が始まるの??
VR初めてだし、どんな構成になっているのかもわからず、頭の中は疑問だらけのまま開始。
とりあえず、ギアを装着する私。(これはイメージ)
VRフィルムってすごいですね首をひねると360℃色んなアングルから物がみえるので、まさに自分がそこにいるよう。本当のバーチャル体験でした!
初めはVRを通して、親子(大人)の家での様子が映し出されます。
ハッピーな雰囲気から始まるのですが、徐々にお母様の不思議な行動が見えてきます。そんな中、椅子が動き出して・・・・ヘッドギアを外されたらまあ不思議。私はKids roomに移動されていました。笑
密室の部屋に閉じ込められた感
(何??って感じ。)
その部屋の中ではずーっと子供が喋っているんです。でも大人の声も聞こえる。でもそれが会話なのかもわからない。内容がロジカルな所もあれば、そうでないつじつまがあわないこともある。その間に部屋にかざっているクリスマスの飾りみたいなライトがピカピカ光ったり、弱まったり・・・目の前のテレビでは監視カメラを見ているかのように複数の映像が流れていて・・・そしたら電話がかかってきて、(バイブでびっくり!)質問されるんです。何を答えればいいのか考えていたら時間が経ち、気づいたら電話が切れている
とにかく混乱した私。
すごく不思議で、次から次へとやってくる変化に怖さもありました。
あの部屋にいると、どんどん何が何だかわからなくなってくるんです。
その後、いきなり真後ろのドアをゴンゴン!とノックされて、(びっくり!) 覆面のアクターが手招きしたのでついていって・・・ライトが当たったステージに立たされて何が始まるのかヒヤヒヤしてたら今度は別の部屋に招かれて・・・
その後、別のドアが開けられてスタート地点に戻り、やっと現実に戻ったのでした。
きっと統合失調症を患っている方の頭ではこうやって色々な方向から声が聞こえて、その声やロジックにこうでもない、あーでもないと疑問を抱いたり、眼を閉じたくなるほどのまぶしい光が見えたりするのでしょうか。いろんな情報がありすぎて、いっぱいいっぱいになってしまう。そして何が本当なのか、幻覚なのかわからない。
このアート作品の解釈はきっと人それぞれだと思いますが、私はそう解釈しました。薬局でもクロザピン処方に関与したり、躁鬱の患者さんと関わることも多いので、メンタルイルネスと言われている疾患についてもっと知りたかったんです。薬の観点からではなく、どういう見方で毎日生活しているのか、そういう観点から知りたかったというのがあって、この広告を見た時に即決、予約しました。
後から別の参加者に聞いたところ、それぞれバスルームやキッチンなど違う部屋に通されたようです。
アート鑑賞は美術館以外にも色々な形があるのですね
今回開催されたのは、こちらのMC show room
ここでは様々なパフォーマンスが開催されていますのでご興味ある方は一度イベントをチェックしてみてくださいね。そしてメルボルンにお越しの際は、パフォーマンス&アートがもっと身近に感じられることと思います。