オーストラリアで薬剤師

オーストラリア薬剤師の日常&ローフォドマップライフについて綴っています♪ 

オーストラリア薬剤師の日常生活、薬・健康情報、Low FODMAP dietなどについて綴っています♪

2022年02月


調剤と情報 2月臨時増刊号【現代未病がわかる本】が出版されましたScreenshot_20220225_123358



そしてこの度、コロナ禍でのオーストラリアの薬局について記事を掲載させて頂きました 


依頼のお話を頂いたのが昨年10月で、原稿を提出したのが12月。今年に入り、状況も変わっていたために一度校正を経てのゴール今まで薬局の日常についてはブログで少し綴っていたものの、改めてこのパンデミックに起こったことを実際に日本語で文章にするのは非常に感慨深いものがありました。この2年間で薬局システムも大きく変わり、まさにChangeMore changeの日々でした。普段こうやって立ち止まって考えるチャンスは自ら与えない限り難しいと思うので、今回は今までの振り返り+オーストラリアの医療システムを言葉にし、客観的に見つめ直す良い機会となりました。


「未病」と言えば、正にLiving with COVIDのテーマです。そして未病と言えば、プライマリーケアの薬局薬剤師が今後さらに大きく関与してくる分野


私が担当させていただいたのは一部ですが、他にも情報が盛り沢山大変有名な先生方が、それぞれ薬局で取り組める「健康相談のヒント」をシェアしてくださっているようです。私の元にはまだ届いていませんが、もう読まれた方がSNSで面白いとコメントされていました。

ご興味ある方は是非、読んでみてください



今週は普段の仕事に加え、仕事後のセミナーやワークショップが立て続けにあり、結構スケジュールパンパンだった一週間。



職場で救急車呼ぶハプニング
状況説明するとちょっと長くなるのですが・・・


ある患者さんが上半身裸で入ってきて、スタッフに注射やらドクターがどうだとか話しかけていたんです。
しかも両手に、ビニール製のショップ袋が破れそうになるくらいに私物が詰め込まれた大荷物を持って。

直感でわかりましたね、薬(何かはわからないけど、ヘロインとか)やってるなーって。でも見たこと無い人。うちの患者さんではありません。


めちゃくちゃ汗かいているようなのでスタッフが水を差し出し、様子を見ていたのですが、(話している途中で服を着てくれました。)

途中、飲んでいる薬の話になってきたので私が会話に入りました。
薬の話してたのに、急にRAT(Rapid antigen test) の話になり.... 


私:『(え?薬の質問じゃなくてRATが欲しいの?)...Concession card持ってますか?持っていたら無料になるからconcession card見せてください』

男性:『Ok、財布の中にあるんだけど・・・(ポケットの中を探す)』

取り出したのは、財布ではなくてバイブル しかも、バイブルを私の目の前で読み始めるっていう(笑)

私:『あのー、concession cardは・・・?』

男性:『......ああっ、すみません。私に話しかけています?ソーリー、ソーリー。』

私:(....こりゃダメだ。)

とりあえず落ち着いてもらおうと椅子に座らせる。

座った途端に深い眠りに落ちたその男性。明らかに動揺してたし、overdoseだと大変なので、私が見張っている間、他のスタッフに救急車を呼んでもらいました。

薬やってると本当に会話が成り立たないってこういう事なんだな~と実感。

5分ほど経過した後、本人がガバッ!!と起きる。呼吸苦しい?とかふらつく?とか聞いていると

『大丈夫、大丈夫』の連続。

こんな姿を見せて恥ずかしいと泣きそうになってるし。

私達が救急車を呼んでいるのを知って、慌てたのか『お願い、大丈夫だから、キャンセルして。』と言われたのでキャンセルしましたが・・・


私達:『本当に大丈夫?念のため病院行った方がいいよ。』

男性:『自分の心臓はちゃんと動いてるし、何よりも君たちにはとにかく感動したよ

これ聞いて私はマスクの裏で笑いそうになりましたけど・・・

起きた途端にめちゃくちゃハイになっているし、眼を見ると本当に瞳孔収縮してるこれがピンポイントピューピルかぁ、写真では見てたけど、実際こうなるんだなー。

男性は『君たちみたいな優しい人たちには今まであったこと無いよ。God Bless You!』と言って薬局を出ました。

出た後、ちゃんと歩けるかどうかガラスのドア越しに見張っていた私達。

男性は右左を何回も見て、まるで自分がいる場所が分からないかのよう・・・
これをくり返し・・・

・・・

・・・んっ??

・・・男性が後ろ振り返って、薬局内に戻ってきたー


・・・

男性:『エクスキューズミー。なんで僕はここに来たのかわかりますか?』

『処方箋でも待ってました?』

・・・ 


・・・(いやいや、こっちが聞きたいですよ。全く大丈夫じゃないじゃん笑)

私:『RATをもらいに来たんですよね?』

男性:『そうでした!サンキューベリーマッチ

(いや、絶対覚えてないと思う。というか、そこまで話がいかなかったし。)



男性が去ったその直後に、パラメディックが到着

到着する前に窓から見えたらしく、『もしかして、このストリートでごみ袋持ってた男性?』って言ってたのでかなり目立ってたんでしょうね

男性の行方は知りませんが、

いやー、焦った。
でも勉強になったわ。異常に汗かいているのも(確かに少し暑い日だったけど)overdoseの反応。


前日にORT(Opioid replacement therapy) のワークショップに参加していたからか、そのタイミングでこれ。引き寄せかしら?習ったら慣れろ!みたいな、課題がすぐ来る。

そんなこともあり、今週末はシフトの前に朝10分だけのカフェタイムでご褒美。
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ホッと一息ついたのはこの時間だけ。この後、すごく忙しくなるのをまだ知らない私の一瞬の幸せ時間でした。

忙しかったけど、他のORTの患者さんのサクセスストーリーを聞いてちょっと心が温かくなって、悪くない一日だった。3年前まで刑務所に入ってたけど、今では一流の建築関係の仕事に就いて人生のやりがいを実感しているっていう患者さん。人生いろいろ。様々なストーリーが見れるこんな職種も珍しいのかも、と思いました。日本に居たら、多分ここまで経験できない。

明日も頑張ろう






オーストラリアでは多くの州でワクチン接種が義務付けられています。

そして3回目接種も職種によっては義務。

職種によってカテゴリーが分けられており、医療従事者対象の詳細は以下です;

When you need to receive your third dose

  • If you were eligible to receive your third dose on or before January 12, you are required to get your third dose by 12 February, 2022.
  • If you were not eligible to receive your third dose on or before January 12, you are required to get your third dose by 29 March, 2022.

その他、食料品を扱う職種や、ホテル勤務の方も対象となっています。

期限間近ということもあり、薬局にブースター接種に来られる方が多いです。ブースターとなると、もう慣れている方も多いためGPに電話して予約して・・・っていうよりもいつも行っている薬局に来る人の方が多いです。

昨日はワクチン接種反対の女性が来局。
仕事の関係でブースター接種が義務付けられているとのことで、他のスタッフ曰く順番を待っている時から不機嫌な様子だったみたい。
彼女の順番となり私が『How are you?』とあいさつしても、『Unhappy!』と即答。

状況が分からない私はとりあえず彼女をVaccination roomへと通し、様子をうかがう。
椅子に座った途端に『こんなの絶対おかしい・・・本当は打ちたくないのに』と泣き出す。

ティッシュを差し出しましたが、断固ワクチン反対の彼女に説明しても怒りを増強させるだけだと判断。『質問ある?』と一応オファー。(もちろん彼女の口からは何も出てきませんでした。)とにかく今この場所から1秒でも早く抜け出したい彼女。

部屋を出る直前、『来てくれてありがとう』と言葉をかけました。
ちゃんと家に帰れたかな?彼女が本当に怒りで満ちていたので。

色んな思いで薬局に来ているんだなぁと改めて気づかされた、そんな日常の一コマでした。



こんにちは2022年に入ってから中々ブログの更新ができず、あっという間に2月に突入です

仕事が非常に忙しく、本当に時が過ぎるのがあっという間に感じます。

オーストラリアではCOVIDワクチンのブースターが始まり、さらに2回目接種とブースターの期間が3カ月に縮まったためにより多くの人がブースターの対象になっています。そのために、薬局は継続的にワクチン接種の予約が入ります。

アストラゼネカ、ファイザー、モデルナワクチンに加えて、近々Novavaxも入ってくる予定なのでオンライントレーニングも増えました

加えてCOVID簡易テストのRATS(Rapid antigen tests)がある特定の患者さん層に無料配布することになったために、薬局ではその患者さんの情報記録と受け渡しでさらにバタバタ
この無料RATS、1人一か月以内に5つまで、3か月以内に10個まで無料というリミットがあるんです。なのでそれを全薬局で管理するために『誰が』『いつ』『いくつもらったか』をシステムに入力する必要があります。
今はレストランもカフェもどこも人手不足今までローカルの人にしかチャンスが無かったポジションも、留学生がゲットできる機会がかなり増えました。アルバイトしたい人にとって、今は過去にないほど、仕事選びたい放題
薬局もとにかく人手が必要なので、毎週のように求人のメールが様々な薬局から届きます。


今まではRATSが手に入らなくて大変でしたが、ここ2週間ほどは薬局への供給が安定してきたのでかなりの数を配布しています。

1月は24時間以内の新感染者がVIC州のみで5万人を超えるほどオミクロン株が猛威を振るっていましたが、ここ最近はやっと1万人弱にまで収まってきました。薬局のスタッフも数名陽性になり、隔離している人のシフトをカバーするためにシフトの変更があったり、患者さんもどんどん陽性になっていくのでもうヒヤヒヤ 

私がかかるのは仕方がないです。でも免疫が弱い人が家族にいるので、家族に移すのだけはどうしても避けたい。そんな思いもあり、ちょっと気を張った2022年の初め。まだまだ気は抜けませんが、これから落ち着いてくれることを願っています。


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