新型コロナウイルス感染者がメルボルンで確定してから数日経ちました。

薬局では、(夏なのに)風邪&インフルエンザが流行っているのでめっちゃ忙しいさらに新型コロナウイルスの影響で『マスクの在庫ありますか?』『(手の)消毒剤ありますか?』の問い合わせが続いているためか、電話を取るスピードが速くなった気がしています

さて、この新型コロナウイルスについて
「どれだけ危険なの?」
「そんなに深刻なの?」
「かかったら死ぬの?」
「これってSARSなの?」

などなど、色々な質問を受けるのですが、
結局どんなウイルスなのかは『まだ100%解明されていない』というのが現状。

コロナウイルスには様々な種類があり、大抵は大事に至らないマイルドなウイルスが多くを占めている中、SARSの原因となったSARSコロナウイルスは死亡するケースが出たほどの強いタイプです。(いくつかのコロナウイルスは死に至るほどの威力を持っています。)今回の新型コロナウイルスも、その強いタイプの一つだと言われ、まだ発見されたばかりで名前がついていないので「新型」となっています。現在、中国をはじめ世界中の研究者がこの新型ウイルスの解明に力を注いでおり、先週の時点ですでにこのウイルスのDNA解析が行われ、DNA配列が明らかにされました。SARSが起こった時よりも医療・研究の分野はめまぐるしい変化を遂げ、こんな短期間ですべてのDNA配列を解明できる時代になったのです。DNA配列が解明出来たら、次は薬とワクチンの開発。こんなパニックな状態でも、中国は世界中の研究者とデータを共有し、現在世界中でこの新型コロナウイルスの新薬・ワクチン開発に力を注いでいます。(それができるまで、確かに時間はかかるかと思いますが、これSARSの時には考えられないぐらいのスピード。この段階に今すでにいる状況が、めっちゃすごいのです。)

解析の結果、この新型コロナウイルスのDNAは、SARSコロナウイルスのシークエンスと約80%一致しているとのこと。ここで80%と聞くと『SARSと激似!』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、DNAの世界での80%というのは、結構大きな違いです。なので、今の時点ではSARSとは全くの別物、だと思っても良いと思います。

何かわからないけど、かかった人が原因不明の肺炎で、今までの薬も効かない・・・
なぜだろう・・・

もちろん中国は、昨年末にWHOにこの事態を報告しています。
そんな原因不明の肺炎患者が急に増え、「いったい何が起こっているんだ?」状態だったのが先月の中国、武漢市(ウーハン市)。

この武漢市、昔からとある動物を食用とする習慣があるようで、フィッシュマーケットにその食用の動物(生きたまま)も売られていたそうです(おそらく爬虫類)。コウモリは様々なコロナウイルスを持っているケースが多いそうで、今回もそのコウモリが主犯であり、さらに売られていた動物を介してそのウイルスが進化し、今回の新型ウイルスに至ったと言われています。ですが、爬虫類から人間に感染するのか?という疑問もある中で、それは現時点でのお話。今後の研究結果によっては、これも覆される可能性大です。

今回、感染が起こった場所とタイミングが重なり、この深刻な状況になってしまいました。この武漢市、すごく大きな都市なんです。有名な大学も、企業もあり、中国全土から大勢の人が集まっている大都市。オーストラリア大使館があるほど、とにかく大きくて、中国だけじゃなくて世界と繋がっている場所なんです。人もかなり多くて、交通網が栄えすぎている都市。しかも旧正月で、武漢市に働きに出ている人や学生が、一気にそれぞれの地元に帰るタイミング。
交通網が栄えすぎているから、新幹線で、時速350㎞であの広大な中国の端から端まで駆け抜けるわけであります。新幹線に乗って2時間もすれば、ウイルスが武漢市からかなり離れたところまで移動してしまうのです。

もちろん、咳をすれば感染しそうな感じはしますが、
今回はそうじゃない。それが常識だと思っていたから、中国政府はもちろん、WHOをはじめとする世界中の対応が遅れたんです。
今回のウイルスは、症状が出ていない潜伏期間でも感染する威力があるほど強いと言われています。ということは、息してるだけで感染する可能性があるということ??
だからここまで広まってしまったのでしょう。

武漢市の人々は、「なぜここまでになるまで対応が遅れたんだ?」と、もう中国政府を攻めまくり。ですがやはり初めてで常識が通用しないという事が日が経ってやっとわかるというのもあるし、旧正月前に混乱を招きたくないという考えなども色々と重なって起きたのが想像できます。
しかし、中国のテクノロジーを甘く見てはいけません。
政府はこのフィッシュマーケットに訪れた人を一人一人トラッキングし、マップ上で感染源の分布をモニターしています。(携帯のGPS機能によって、携帯の画面に、入ったレストランやお店の評価をするようにメッセージが出ることありませんか?それと似た感じです。)その分布が、感染者数とほぼ一致しているぐらい正確にトラッキングし、感染を拡大させないよう対策を取っているようです。さらに中国の新幹線では、乗る時に必ずIDをチェックします。そして乗客の情報がシステムに残るため、毎日その分布の変化によって、「●月●日、●時の△△行きの新幹線の〇号車に乗った人は感染している可能性があります」というようなリストも発表されます。
プライバシーの侵害だという人もいますが(特に欧米)、今回はこのシステムがあるからこそここまでアップデートが早い。

もちろん武漢市はこれ以上感染を拡大させないように完全に道がふさがれ、市自体がロックダウンされています。メジャーな交通網(新幹線など)ももちろんストップ。完全にエコノミーもストップ。
これは中国だけでなく、徐々にオーストラリア経済にも大打撃を与えることでしょう。
旧正月だけど地元に帰れない状態の人もいる。上海なんて、旅行で訪れた人は、2週間隔離。そして旧正月のために海外から中国に帰った人は、年によっては感染が100%否定できるまで、中国から出してもらえない、住んでいる国に帰れない場合もあります。オーストラリアでも、中国から戻った人は自主的に2週間は家から出ないように、という発表がありました。

さらに、武漢では毎日5000人が24時間働き続け、6日間で病院を建てるという前代未聞のことをやり遂げています。その病院も、単なる病院ではなくて、検査機器などすべてが整った病院。それも、感染が拡大しているために2つ目を建設中だそうです。ドクターやナースは皮膚を一切出さない医療用のプロテクション(服)を着用、ゴーグルも着用。それは感染力がそれだけ強いから。
しかもその服もトイレに行ったりすると捨てて、また新しいのを着用しないといけなくなり、そんなことしているとそのプロテクションの服の在庫が底を尽きてしまう・・・ということで、彼らは8時間水も飲まずトイレに行かず、本当に必死で働いています。

この中国の今回の対応と今後どうなっていくかを、世界中が見守っています。
今後、同じような事が自分の国で起こったらどうするべきか。

オーストラリアに感染が広がったら、どうなるのか?
オーストラリアは、正直、ここまでできるか?

中国では常に新しい情報が発信されていますが、それがWHOに届き、オーストラリアに新しい情報が来るまで、2日遅れます。
昨日のニュースでも、「マスク着用は不要」とレポートしているぐらい、情報が古い。確かにマスク着用でどうなるかはわかりませんが、それが今できる最大のプロテクション。マスクしなくていいなんていう情報自体、テレビで流してることに疑問を感じた人は多いはず。一番大事な、潜伏期間中でも感染するっていう情報は、今日の時点ではオーストラリアの一般ニュースでは流れていません。

だからこそ、今後のオーストラリアの対応を心配している華僑の人は多いです。
もうすでに、ブッシュファイヤーでダメージ受けて、マスクが無い状態なのですから。

インフルエンザでも、自然に治る場合が多いですが、中には免疫が低下している場合や他に疾患がある場合は、死に至るケースはもちろんあります。毎年のことだからあまりレポートされないし、ニュースで聞いても「ふーん。こわいね。」ぐらいの感覚の人がほとんどなのでは?今回のコロナウイルスも同様、自然に治るケースも多いようです。普通のインフルエンザと似てる??でも亡くなった人の中には、50代の元気な世代の人もいます。

まだまだ解明されていないこのウイルス。

私も医療ジャーナルに色々目を通しています。
またアップデートします。