オーストラリアで薬剤師

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妊娠・出産・授乳

前回、COCピルについて書きました。経口タイプでしたね。


今回は違う種類―「膣に入れるVaginal Ring」についてお話します💡

これもエストロゲンとプロゲステロンの2種類含まれている避妊薬。とーっても柔らかいプラスチック製で、輪っかになっています。このリングからエストロゲンとプロゲステロンが放出される仕組みです⏬


「nuva ring」の画像検索結果

一つのリングを自分で膣の奥の方に入れたら3週間入れっぱなし→その後1週間外した状態で過ごします。なので一つのリングで1か月使えるということです❗️毎日服用するCOCピルよりも楽〜に感じるのでリングを選ぶ人もいます。

リングを入れていない1週間の間に出血が起こる仕組みです。

 

さらに違うタイプの避妊薬を見てみましょう👀

このVagianl Ringと前回のCOCピルとには2種のホルモンが含まれていました。

でも含まれているホルモンのうち、エストロゲンによって偏頭痛が起こったりと、体に合わない人もいるのです。

そういう場合は、プロゲステロンだけしか含まれていないものを試してみると良いかもしれません。

 

プロゲステロンだけの避妊薬には大きく分けて

🌿経口(これをミニピルと言います。)

🌿LARC

という種類があります。日本ではおそらく見る機会が無いと思います。海外ではよく使われています。

 

経口タイプ(ミニピル)は注意事項があり

✅毎日飲む…これはCOCピルと同じ。

✅同じ時間に飲む(COCよりも時間厳守!枠が3時間しかありません!)

がキーワード!


どうしてこのような制限があるかというと、エストロゲンが入っていない分、作用機序が違うからです。ミニピルは粘膜を分厚くさせて、精子が侵入しにくくするだけ。なのでCOCピルのように排卵を抑えているわけではありません。だから、避妊効果は弱いし、同じ時間に飲まなければ粘膜がすぐ戻ってしまい、妊娠してしまう可能性があります。

 

でも長所もあって、

✅授乳中にも服用できること

✅エストロゲンが入っていないので、頭痛や吐き気などの副作用が少ないこと

が挙げられます。
「microlut」の画像検索結果

⏫ミニピルはこんな感じで、砂糖だけのプラセボ錠がありません。なので完全に生理が止まる人もいれば、たまに出血したりする人もいます。

 

LARCs(Long Acting Reversible Contraceptivesには

🌼Etonogestrel implant

🌼Levonorgestrel-releasing IUD

🌼Cu IUD

🌼DMPA

の4種があり、オーストラリアではこれらが避妊薬のファーストラインであるほど推奨されています。なぜなら一番避妊効果が高い方法だからです!

(コンドーム使用時でも20%程妊娠する確率があります。)


なぜLongという名前なのかというと…長持ちするから!インプラントは一度入れれば3年、IUD5年、CuIUDは5~10年も効果が続きます。なので長期的に考えるとコスト的にも安いのです。

…と言葉で書いても分かりづらいですよね。なので写真をネットから借りてきました


implant ←皮下注射で腕の内側に入れます。implantの前についているetonogestrelというプロゲステロンが放出されます。
「implanon」の画像検索結果


IUD(intrauterine device)←子宮内に入れるという意味です。Cu IUDはこのディバイスが銅でコーティングされた状態です。
関連画像

これらは病院で局所麻酔下でやってもらわないといけないのですが、やめたい時は病院で取ってもらい、すぐに妊娠可能な状態に戻るので安心です。(4週間以内にホルモン値が戻ります。)

ただ服用するピルとは異なり(ピルはシュガーピルを飲むときに出血するのでいつ出血するか予想がつきますが)、これらはずっと入れっぱなしにするので初めのうちは出血する時期がわからないという欠点もあります。続けるうちに、生理が無い状態になることがほとんどです。

 

自分の体に入れるなんて少し怖い?と思うかもしれませんが、インプラントはマッチと同じ大きさ、IUD20セントコインの大きさなので、とても小さいのです。

 

 作用機序:

インプラントIUDは、ホルモン(プロゲステロン)によって排卵させないようにすることで避妊します。

IUDはホルモンですが、銅でコーティングされたCuIUDの場合は、ホルモンではなく銅の直接作用によるものです。銅が精子の動きを鈍くするので、卵子に近づけないようにする効果があります。さらに、ホルモンではないため、頭痛や吐き気などの副作用は心配ありません。

 

これら3種の避妊メソッドの利点は、避妊効果の高さ!なんと99%以上!

欠点は

はじめは違和感・痛みを伴うかも

ホルモンが落ち着くまで出血があるかも

ということでしょうか。感染症なんかもリスクとしてはありますが、かなり稀です。

 

 ちなみにCuIUDは、5日以内の緊急避妊としても使えます。(それで入れたらずっとそのままにするパターンが多いです。)避妊なしの性行為が行われた場合、その日から5日間以内なら、後からCuIUDを入れれば避妊できる可能性が高いという事です。

その理由は、(言い方は悪いですが)、精子は女性の生殖器内で5日間生きているので、その間に殺してしまえ!という考え方。

 

LARCs4つ目の「DMPADepot medroxyprogesterone acetate)」は

三か月毎の筋肉注射。といっても3か月間隔できっちり病院に行かないといけないのではなく、前後2週間の間ならOkです。
「DMPA」の画像検索結果

✅初回の注射の場合、7日間待たないと避妊効果が得られません。

✅初回注射後、生理が8週間以上遅れることがありますが大丈夫!注射を続けていけば多くの人は生理が来ない状態になります。

✅エストロゲンが入っていないので偏頭痛などの副作用が少ない。

 

欠点は急に妊娠を望んだ場合、注射をやめてもホルモン値が元に戻るのに少し時間がかかります。(長い人で1年ぐらい)

多くの人は生理が来ない状態になりますが、そうでない人はいつ出血するかのパターンが読めないのも難点。

長期使用すると、骨密度が減少する可能性もあるため、使える人は限られるかもしれません。



経口タイプのミニピルでは、プロゲステロン量が非常に少ないため、排卵を抑えることはできませんが、体内に入れるLARCsでは量も多い&飲み忘れがないために体内で常に一定の濃度を保つことができるため、排卵を抑えることができます。ですので、LARCsは避妊効果がとても高いのです。



*注意:これらは性感染症からは守ってくれません!

     コンドームなどのバリアメソッドが必要です。 


質問等受け付けています

今日はピルについてお話します。


日本では海外に比べてあまり使われていないため、大学でもあまり深く勉強しないんですよねー💧

私はあの時「もっと知りたかったなぁ」という気持ちがありましたが、勉強する機会もなく、知識がないままオーストラリアに来て、ものすごい種類のピルを目の前にしてカルチャーショックを受けました🙀

海外は社会進出している女性が多いからでしょうか。

 

知識を補うためにそこからは猛勉強💦💦💦

 

今日は「ピル」について書きます。もっと知りたい薬を学ぶ学生さんにとっても参考になると嬉しいです😃✨

 

まず初めに、「避妊薬には沢山種類があるんだよ~」ということを頭の片隅に入れておいてくださいね❣️

 

「ピル」と一般に言われているのはCOCcombined oestrogen-progestogen contraceptives)ピルのことで、エストロゲンとプロゲステロンが含まれている錠剤を毎日服用することで、体内のホルモンを一定に保ちます。含まれているホルモンの量もすごく少なく、体に悪影響を及ぼしにくく、かつ体がその2つのホルモンで毎月きちんとしたサイクルで機能できる最低限の量しか入っていません。ほとんどのピルは、ホルモンの入っている錠剤を毎日服用し、ホルモンが入っていないシュガーピル(プラセボ)を4日〜7日間服用するというサイクルです。

 birth-control-pills

☘こんな人に最適☘

✅飲むことを覚えられる人…毎日同じ時間に服用しないと効果がありません

毎月生理が来る日を確実に知りたい人…プラセボを服用する時に出血があります

 

⚠️ピルは世の中の女性全員が使えるわけではなく、禁忌もあります。使えないのは血栓リスクのある人, 過去5年に乳がんになった人、35歳以上の喫煙者・・・などなど、ここは大学で習うと思うので今回は省きますね。

 

通常、女性ホルモンってエストロゲンが徐々に高くなっていき、排卵はLHサージと言ってエストロゲンとプロゲステロンが同時に高くなると起こります。排卵後はプロゲステロンが優位になり、子宮内膜がもんどん分厚くなっていきます。卵子が受精卵になるチャンスを逃すと、生理として子宮内膜の細胞が外へ流れるため、出血が起こりますよね。

 

じゃあピルを服用するとどうなるの?ということですが、少量のホルモンを体の外から入れることで、体が「ホルモンを作らなくてもいいんだー」と思い、体内でのホルモン生産工場がお休みモードに入ります😴

なので排卵しない=きちんと服用すれば妊娠しないということ!

その間、外から入ってきたホルモンに後はお任せ状態。


ではプラセボピルを服用する時に出血するのはなぜでしょう?それは少量のホルモンによって子宮内膜も少しづつ分厚くなっていくため、完全に外からホルモンを体に入れない時期を作ることで、生理と同じく厚くなった子宮内膜をはがしているのです。(この出血は、生理ではありませんよ!排卵していないので、生理とは呼びません。)なので、ピルを飲んでいると、出血量も少なく、日数も短いことに気づくはず・・・。

 

ピルを服用すると、痛みが無くなったり、PMSが軽くなったり、とにかく毎月楽になります。

それは上記の理由によるからなんですねー。一定のホルモン状態を保っているからなのです。なので避妊目的ではなく、内膜症や毎月の症状が重い人が日々のQOLを向上させるために服用している女性も沢山います✨

 

副作用:

ホルモンを体に入れるということは、ホルモンに関する副作用が出る場合もあります。

吐き気や頭痛、PMSの症状が初めのうちは出ることも。少量のホルモンでも、体が敏感だと副作用を感じる人もいます。

なので症状が出る時間帯に眠っていればいいじゃん!ということで、就寝前に服用することをお勧めします。大抵の場合、数日~数週間で体が慣れて、感じなくなります。

 

それでもまだ調子が悪い・・・という方は、別のブランドのピルを試してみると良いです。

ピルはたくさん種類があるため(特にオーストラリアは沢山!)、自分に合ったものを見つけることも大切です☝️

 

YazYasminは日本でも有名です。それは副作用が少ないと言われているからなんですねー。ポイントは含まれているプロゲステロンが「drospirenone」なので、抗アンドロゲン作用が期待できるからです。

弱い利尿作用が期待できる…むくみにくい

ニキビを抑えてくれる…美肌効果

PCOSの症状改善…辛い症状はアンドロゲンによるものが大きいです

などなど。コストも高めですが、このような利点があります。

他にはcyproteroneも抗アンドロゲン作用があるので、Brenda-35とかもいいかもしれません。

オーストラリアではメディケア(国民医療保険のようなシステムです)でカバーされるピルも多数あります。

 

ピルを服用すると妊娠しづらくなる?というのは全く根拠がありません。

確かに妊娠するためには、ピルをやめて、再び自分の体でホルモンを作るように生産工場を動かさなければなりません。ピルをやめて、しばらく眠っていた工場員たちが働きだすまでに少し時間がかかるかもしれないため(人によっては13か月かかることも)そのように言われているのかもしれませんね。

 

質問等受け付けています

⚠️注意:ピルは性感染症からは守ってくれません!

    コンドームなどのバリアメソッドが必要です。

 

 ⚠️ちなみに私はCOCピルを推奨するためにこの記事を書いているわけではありません。


モーニングアフターピルとは・・・緊急経口避妊薬のこと。
性行為後、72時間以内なら効果が高いこの薬。

オーストラリアでは、飲む必要があるのか?医者に送るべきか?の判断を薬剤師がします。

なので、処方箋は必要ありませんが、薬剤師がきちんとカウンセリングしなければ患者さんは購入できないことになります。

緊急用なので、ホルモンの量も多めです。副作用や注意事項が沢山ありますからね☝️

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