オーストラリアで薬剤師

オーストラリア薬剤師の日常&ローフォドマップライフについて綴っています♪ 

オーストラリア薬剤師の日常生活、薬・健康情報、Low FODMAP dietなどについて綴っています♪

メルボルン

オーストラリアでスギ花粉と草に反応する私

昨年からアレルギーの脱感作療法を始め、一年目から劇的な効果を実感したのです
なので今年もやります!(以前の記事:花粉症の症状が出る前に はこちら

この脱感作療法は2、3年継続し、それ以降は10年ごとに行えば良いそうです
保険はききませんが、私にとってこれは人生を楽しむための『投資』なのです

季節が逆のオーストラリアでは、スギ花粉が飛ぶのが9月~12月、草は10、11月~1月まで。
オーストラリアの花粉を甘くみてはいけません日本のものとはレベルも量も違います

9月~のスギ花粉対策として、スタローラルという液を4月下旬~舌下投与し始めます。

徐々に花粉を体に入れていき、花粉のシーズンになる前に体を慣らせておくのです。

この液、フランスから取り寄せているみたいです
クリニックから「届いたよ~」というお知らせを待って、かれこれ2か月
全く連絡が無いので、また検疫で引っかかっているのかな?と思っていたのですが(去年そういう状態で1か月以上遅れました)ちょっと心配になって、クリニックに電話して確認しました。

すると長ーいHoldの後に「ちょっと冷蔵庫の奥まで確認するわ。あとで連絡してもいい?」と受付の女性から言われ、さらに電話を待ったところ、、、

受付の女性:「あったわよ~!」

・・・あったんかーい!!!!!!

早速取りに行きました
それがこちら
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これにスギ花粉が入っています。
冷蔵庫保存です。

1年目はカウンセリングやモニタリングの必要があったので何回か通わないといけなかったクリニックも、
2年目は薬をとりに行くだけなので通わなくてもOK。自宅でできるので仕事休まなくてもいいので助かります

日本でも花粉症の脱感作療法は受けられます。抗アレルギー薬を使っても症状が辛い場合は、これも選択肢の一つに入れてみてくださいね

日本と違うのでとても理解しにくいオーストラリアの医療制度。
今回は医療費について書いてみます

医療費削減のために、日本同様、オーストラリア政府はジェネリック医薬品を勧めています。
私の印象ですが、日本人を含むアジア系、そしてインド系の人は先発品(オリジナルブランド、いわゆる高いもの)を選ぶ傾向があります。正直な話、有効成分は全く一緒でも、確かに添加物などの微妙な違いはありますので、効果が全く同じとは個人的には思いません。
てんかんや精神系の薬で安定している方が、急にブランドを変えると不安というケースはもちろんあるので、その場合はすでに使用しているブランドを勧めることがあります。でもそれ以外の痛み止めなどの薬はジェネリックでも構わないと思います。価格も安いです。私は自分の薬は自分で調剤しますが、安いジェネリックを選びます。
ジェネリックの方が色々改良されている場合もあります。でも、選択は人それぞれです


日本では医者にかかる時も、薬局で処方箋医薬品を買う時も、全体の価格の3割のみ支払います。(3割負担の場合)

かなり簡単にすると
(薬代+調剤費もろもろ)×0.3=支払う金額

なので、薬は安いものだと当然のように思いがち3割負担なので、ジェネリックでも先発品でも、払う金額には大して差が無いように思うこともあります。
薬局で3000円も払うことがあれば、「すごく高い」と思ってしまうぐらいでもそれは日本の医療システムならではのことなんです

オーストラリアではメディケア(国民保険みたいなもの)を持っている人は、一定の価格以上の医薬品は政府がカバーしてくれます。
一般の人はGeneral Patient、低収入家庭や年金暮らしの方はConcessionというカテゴリーに分けられます。General Patientの場合は、2019年は患者が払う医薬品の最高額が$40.30です。Concessionカードを所持している場合は、$6.50です。

例えばこのSeretideという薬。
喘息の予防薬、ステロイド&β刺激薬の混合吸入薬です。(※英語では予防薬はpreventerと言います。)
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日本では薬の価格+調剤費用などなど含めた料金の3割を支払います。
このSeretide、薬の価格自体が$60を超えるほど高い薬です‌ 

メディケアを持っていない人(旅行者や留学生など)は実費になります。
メディケアありのGeneral Patientは、$40.30支払います。(患者が支払う最高額が$40.30なので、それ以上の分は政府がカバーしてくれます。)
Concessionの方は$6.30支払います。

$60以上もする薬が、Concessionの人はたったの$6.30!
一方、それ以外のGeneral Patientは吸入薬に毎月40ドル以上も支払わなければならないとなると、患者さんの負担は大きく違ってきます。

逆に、薬の価格が支払い最高額よりも安い場合(仮に薬代が$20ドル、調剤費が7ドルとします。)
General Patient・・・薬代+調剤費の総額=$27。これは最高支払額の$40.30よりも安いので、全額支払うことになります。(患者さんは薬局で$27払います。)

Concession Patient・・・薬代+調剤費の総額=$27。これは最高支払額の$6.50よりも高いので、それ以上の料金($27-$6.50=$20.50)は政府がカバーしてくれます。ですので、患者さんがお財布から薬局に出すのは$6.50ということになります。

さらに加えると、以上は保険でカバされる薬の場合です。ちなみに抗インフルエンザ薬のタミフルは保険で元々カバーされません。その場合、General patient でもConcessionでも全額負担で$60ほどの出費になります

オーストラリアではジェネリックを選ばずに先発品を選ぶと、Brand Premiumという価格が上乗せされてしまいます。 以前に書いたBrand Premiumの記事はこちら

Brand Premiumが$3の先発品だとすると、General Patientの場合、最高支払額+Brand Premium=$43.30支払うことになります。 Concessionの場合は最高支払額+Brand Premium=$9.50支払うことになります。
もともと高額支払わなければならないGeneral Patientの場合は「たったの3ドル」になるか、「もともと高いのにさらに3ドル払わないといけないの?」になるか、思うことは人それぞれです。(私は後者です。)ジェネリックにすると薬の価格が半額かそれ以下になる薬も多いので、結果いつも支払い額が30-40ドルだったのが、ジェネリックにすることで10-20ドルくらいになったりします。薬の価格がダイレクトに支払額に影響します。

でもConcessionの場合は、Brand Premiumの薬を選ぶと「いつも$6.50なのに$9以上も払うの?高すぎる!」ということになります。

こういう仕組みなので、オーストラリアではジェネリックにすることで出費をかなり抑えることができます。保険の仕組みが違うと、薬の出費に対する考え方もずいぶん違ってきます。

日本にいた時はあまり薬代について考えたことがありませんでしたが、オーストラリアに来てからは薬代が非常に高価に思ってしまいました薬の価格は日本と変わらないと思うのですが、保険の仕組みが異なるのでそう思ってしまうのでした。




新しい職場に移り3週目が終わりました✨

本業は薬剤師ですが、仕事がない日は日本語のチューターもしています
薬剤師になるまでは、メルボルンの高校で一時期日本語を教えていました。それまで日本語の文法なんて全く知らなかったのですが、1から勉強して今では授業で使うオリジナル資料も沢山出来ましたよ〜‌ 日本にいるときは日本語を教えることになるなんて思ってもいなかったので、人生って本当に何が起こるかわかりません。
薬剤師になってからスケジュールが合わず、残念ながら離れてしまった学生も過去にいました‌でも試験の結果をわざわざメールで報告してくれたりした時は本当に嬉しかったです。

また、どんな状況になっても、こうやって私についてきてくれる現地の学生さん達が可愛すぎる‌だから続けます
チューターの準備や時間も必要だということで、薬局の仕事はパートタイム希望でした。

ですが、他の薬剤師さんの事情で人手不足だということで、今後フルタイムに変わります
始めは『トライアルで・・・』という感じで、オーナーにも私ががどんな人なのかを見てから決めたい、など言われ、かなり渋々

プレッシャーを感じたのは確かですが、正直、初めて会った人にビジネスを任せるのはリスクが大きいですよね。大手はともかく小さなローカル薬局は特に慎重になるのも理解できます。

でも働き始めて4日目に薬局を開ける鍵を正式にもらった時は「信用してくれているんだなぁ」と実感した瞬間でした‌ 

9時間以上立ちっぱなしですが、最近足の使い方を見直した成果があり、前よりも足の疲労感がマシになっています薬剤師は立ちっぱなしなので、姿勢が悪いと首、腰、膝を痛めてしまいます。とんなに立っていても、 浮腫みにくく、腰や膝の痛みから解放され、ハッキリ言ってしまうと『足から体を整える方法』があります‌ それを皆さんに近々お伝えしたいのですが、まだまだ自分の体を使って人体実験中です。結果が確かなものになった時にはご報告させていただきますね

明日は私にとって最後になるであろう(?)と思われる、CityのCollins Placeにある薬局で働きます。日本人のMさんもフロアスタッフとして働いているので会うのが楽しみです。
インターンの時もその薬局で週2日派遣され働いていた時期があるのですが、Mさんがお休みの日だったので一緒に働けなかったんですよね~残念ずっと「一緒に働きたいね」と言ってくださっていて、それがやっと叶います

最近、電車が土日は工事で止まる線が多いので、Cityまで長旅になりそうです…。





子宮頸がん検査を受けていますか?
20歳以上の女性は全員受けることが推奨されています

日本では婦人科で、オーストラリアではGPクリニックに行けば受けることができます。

これは古い結果ですが、検査項目にLevel B Surgeryと書かれています。(何だか響きが悪いですが、surgery の部類なんですね。)
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$73.55と書いてありますが、メディケアを持っている方は、Bulk Billingといって政府がカバーしてくれるので無料です。

以前は日本と同様、2年に1度だった子宮頸がん検査。
最近GPに行って教えてもらったのですが、オーストラリアでは2017年12月から子宮頸がん検査が新しくなり、5年に1度でOKになりました

前回私が行ったのは2017年11月末。
ちょうど新しい検査になる直前でした‌なので処方箋もらう用事でGPに行った際に、ついでに検査してもらうことにしました。

以前のものはPap testと言い、Cervix(子宮頚)の細胞変化を見るものでした。
新しくなったものをCervical Screening Testと言い、細胞変化ではなく、子宮頸がんを起こす原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)を見るものになりました。


実際にCervixにHPVが発見されても、がん化するまでに10年ほどかかり、さらに必ずしもがんになるとは限りません。
ですが、この検査をすることでもしもHPVが発見されれば、経過観察し万が一のことになっても早く対処できます。

2年から5年に延長されたので女性への負担も軽減され嬉しいです
日本ではまだ2年に1度だと思いますが、そのうち5年に切り替わると良いですね!

日本にお住まいの方はもちろん、オーストラリアにお住まいの女性も是非受けておくことをお勧めします
たとえ日本に帰っても、婦人科で絶対「子宮頸がん検査を最後に受けたのはいつですか?」と聞かれます。その時に「海外で〇年前に受けました」とデータがあると便利です

日本から戻り、初めの週は体が気候の変化についていけませんでした
寒い日本から、急に40度近いオーストラリアに帰るとさすがにキツイです

それはともかく、初めの一週間は前に働いていた薬局で少し働きつつ、家にいる時は整理整頓
要らない物をさっさと捨てて、大掃除をして、新しい生活への準備をしました。動っきっぱなしです。笑 収納場所がないと逆に捨てる決心がつきます。
フゥー

そうやって過ごしているうちに体も徐々に慣れてきました

そして、始めた職探し。
レジュメを近くの薬局に配りに行きました。初めの2つは「今雇ってないから。」と言われましたが、とりあえず置いてくる。
ごみ箱に入れられるとしても気にしない
動けばそれなりに運も動くはずという気持ちで

そして二日目、今度は反対方向にある薬局にレジュメを渡しに行ったところ、「ちょうど雇ってるよ!」とのこと。
私の経歴を見て、日本人? あんまり経験ない?みたいな感じになり、結構慎重になっている様子だったので、私も少々心配に
でも次の日にインタビューに呼ばれ、
トライアルで来週月曜日に働いてみてから採用を決める、と薬局のオーナーからオファーをもらいました

そして、なんとトライアル最中に契約書にサインをし、雇ってもらうことになりました

何とも早い展開に自分でもびっくりです

新しい薬局はザ・地域密着型!
しかも大手に飲み込まれない、独自のスタイルを持っている薬局です。だから雇う側も慎重になるのはわかります
前に働いていた薬局はシティーのど真ん中だったので、患者さんの層が全然違います。取り扱っている卸会社が異なるので薬のブランド名も異なり、沢山覚えないといけないこともあって大変ですが、この薬局でテキパキと一人前に働けるようになったらかなり成長するだろうなぁと思います

オーストラリアの薬局は日本のような事務さんがいないので、薬剤師一人で処方箋受け取りから調剤、用法用量のラベリング、カウンセリング、会計まですべてを行います。その間にかかってくる電話応対、お客さんとの会話などなど、マルチタスキングが必要なので結構私にとってはチャレンジです。

実は、去年からずっと
家の近くで、アットホームな薬局で働きたいと思っていたのです‌願い通りの展開に驚いています。

こんなに勉強できる機会が与えられて、とても嬉しいです今週来週とかなり仕事が詰まっていますが、慣れてきたらまた色々な健康・薬関連の記事を書きたいと思います

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