オーストラリアで薬剤師

オーストラリアでの日常、薬剤師キャリア&子育てについて綴っています♪ 

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日本の免許

以前の記事:日本の薬剤師免許をオーストラリアで使うには① で、日本の薬剤師免許をオーストラリアで切り替えるためのステップを簡単に書きました。


一般的には、オーストラリアの薬学部(4年間+1年インターンシップ)を無事に終了すれば、オーストラリアの薬剤師になることができます。日本では「国家試験」がありますが、オーストラリアには「国家試験」がありません。ただし、インターンシップ中に試験があり、その試験方法や内容は、州ごとに違います。
(基本的にインターンシップを受けた州で、薬剤師として認定されます。州によって多少法律が違います。でもオーストラリアは州が違っても、薬剤師としての資格は同じなので、オーストラリア内で働くことができます。)

「オーストラリアで薬学部に行き直さないといけないの?」
…大学に行き直さず、海外薬剤師免許をオーストラリア免許に切り替える方法もあります
 オーストラリアは移民にとても寛大な国なのですそのプロセスを、今回は一つずつ詳しく説明していこうと思います。

①Australian Pharmacy Council(APC)のskills assessmentを受ける
オーストラリアの『医療従事者を統括する機関』に、「海外で薬学部を卒業し、資格を得ていることを申請&認めてもらう」プロセスです。
  skilks assessmentの詳細はこちら↓

 要するに、国によっては薬学部が3-4年のところもあり、薬学の内容として不十分な場合があるからです。その基準を満たしているのかを審査してもらいます。ストリームAとBの判定が出るので、その結果によって今後のプロセスが異なっていきます。(日本の場合はストリームAです。)

日本の薬学部の場合は全く問題はありませんが、書類が多いプロセスです。日本の薬学部のシラバス内容を英語で提出したり、英語の卒業証明書なども提出しなければなりません。

②学科試験ーKAPSを受験する
 ①でのアセスメントが下りると、KAPS受験資格が得られます。KAPSとはThe Knowledge Assessment of Pharmaceutical Sciencesの略で、オーストラリアの薬学部5年間分の知識を問われるコンピューターベースのテストです。有機化学から薬理学、計算なども含まれています。
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↑これは申込書(現在はオンライン化しています)

  KAPS試験の詳細はこちら↓

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既に本公開しています!

③英語の試験ーOETを受験する
 
OETとはOccupational English Testの略で、医療従事者として必要な医療英語&コミュニケーションスキルを問われる試験です。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つに分かれています。すべての項目でB以上でないといけません。IELTSもありますが、現場で使える英語を学べるので、私はOETの方がおすすめです!

        OETについてはこちら↓


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④インターンシップを見つける
 比較的チャンスがあるのは10月あたりです。レジュメを配って、ポジションを探します。多くの薬局はこの時期にインターン薬剤師を探し始めます。それまで薬局でアルバイトをしていたりすれば、中で雇ってもらえる確率も高くなるかもしれません。

⑤インターン薬剤師として登録する
 ②に合格すると、APCから「手紙」が来ます。その手紙は、「これであなたは大学に行き直さなくても、オーストラリアの薬学部を卒業したのと同等レベルであると認めますよ」という証明になります!
その手紙を、さらにPharmacy Board of Australia (PBA)という別の機関に提出し、インターン薬剤師として現場で働けるように番号と名前を登録する必要があります。
これも書類の多いプロセスです。日本の厚生労働省に問い合わせて、薬剤師登録を証明してもらったりしました。
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↑厚生労働省に送った書類。日本で薬剤師であることの証明を厚生労働省から直接、オーストラリアに送付してもらうための申請書です。

⑥インターン薬剤師として一年間、決められた時間をこなす
現場で薬剤師として働きます。調剤してから投薬するまで、指導薬剤師に監査をしてもらわなければ投薬できませんが、薬局のほとんどすべての業務をこなします。この間、インターンプログラムという外部の機関にも所属し、そこから出る課題もこなしていかなければいけません。5-6月には筆記試験、10-11月に口頭試験があります。フルタイムで働き、課題・試験勉強もするという忙しい1年です。

これらを終えると、正式に薬剤師として登録されます。
よく、『オーストラリアで薬学部に行き直そうと考えているのですが・・・』というご相談も頂きます。

ですが、考えてみてください。

皆さんは、すでに薬剤師としてのスキル&知識をお持ちです。
必要なのは、そのスキルがあることを証明することなのです。証明する方法には、大学に行く方法と、大学に行かずにOET&KAPSを受ける方法の二通りあります。そこでわざわざ4-5年かけて大学に行くという選択をするのは、お金も時間も非常に勿体ない選択なのです。

そして何より、皆さんが日本でやってきたことがすべて認められるシステムがオーストラリアにはあります。何も無駄にならないのです

確かにプロセスは短いとは言えませんが、一つずつしっかりやっていけば可能です
少しでも参考になれば嬉しいです。




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こんにちは!
日本で薬剤師免許を取ったのに、オーストラリアでは使えない・・・
あんなに勉強したのに、海外では薬も法律も違うので、認められないのです😭

オーストラリアの薬学部は5年間🏫💦もちろん、大学に行き直す方法もあります。その方が細かく学べるし、ネットワークも広げられるでしょう。
でもお金がかかってしまうので、私は別の方法をとりました!そ・れ・は・・・

試験をいくつか受けて、ローカルの大学卒業と同じレベルだと認めてもらう方法です❣️

簡潔に書くと、プロセスはこんな感じです↓

①日本の卒業証明書を提出し、薬学部卒であることを認めてもらう
②KAPS試験を受ける
③医療英語の試験OETを受ける
④AHPRAに書類提出し、provisional registrationする
⑤インターンシップを受け入れてくれる薬局探し
⑥一年間のインターンシップ
⑦インターンシップ中に筆記試験と口答試験を受ける
筆記試験は三時間で計算、法律、薬についての知識を問われます。資料を見てもオッケーです👌口頭試験は、
パート1 は5つの薬名を与えられ、適応や量、カウンセリングポイントなどを口頭で答える
パート2はOTCのロールプレイ
パート3は法律関係の問題を口頭で答える
パート4は処方箋をみて患者さんとカウンセリングし、問題を発見する。これもロールプレイで、問題解決能力を見られます。パート4だけ資料を見ることを許されます。

これらにパスすれば、オーストラリアで大学行き直さなくても薬剤師になれます❣️

③のOET試験は、医療英語に特化した試験で、薬剤師は薬剤師専用の試験を受けます。(writing, speakingのみ)。

できれば日本にいる時から準備するのがおススメです🌟
次の記事では、一つ一つのステップをさらに詳しく書いていきますね!

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お久しぶりです。
ご報告が遅くなりましたが・・・
やっとインターンシップが終了し、オーストラリアで薬剤師となります🇦🇺🐨

日本とオーストラリア、両国免許です🇯🇵×🇦🇺

日本で薬学部に入ったのが2008年。
ここまで来るのに10年かかりました。

オーストラリアに来てからは、違う道を行こうとも思いましたが、
挑戦して良かったです✨

私と同じように、オーストラリアでも薬剤師になりたい❣️という人もいるかもしれないので、
これからさかのぼって、ここまでのプロセスについてブログを書いて行きますね❣️

写真は主人と日本食レストランNobuでお祝いした時のものです🥂

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サーモンと梨の相性が抜群で美味しかったです😋


今週は超多忙スケジュールの日本語チューターからの、二日間の薬局夜のシフトを経て、かなりばて気味です


今日、やっとインターンシッププログラムに申し込みをしました‌原則としてインターンシップをする際には同時にこのプログラムも一緒に行わなければなりません。
このプログラムは、要するにインターンシップの合間にあるwrittenとoral試験の準備をするための勉強プログラムのことです。モナシュ大とPSAがそれぞれ独自のプログラムを提供していて選べるのですが、モナシュ大の方はかなり課題も多くIntensiveという話を聞いて少しビビってしまったので、私はPSAを選択しました。そしてPSAの担当者の方にメールで問い合わせをしたところ、とても親切に対応してくださったのも決め手になりました

オンラインで申し込みをするのですが、それにもAHPRAのregistration munberが必要なので、まだOETの結果が来ていなくてregisterできない私は、現在まだpre-enrollmentという形です。

そして来年のAMH(Australian Medicine Handbook)の申し込みもしましたよ~
日本で言う、「今日の治療薬」と同じ部類の医薬品の本なのですが、AMHはなんと$220もします
AMHについてはこちらの記事参照
なぜオーストラリアってこんなにも全てが高いのでしょうか??(それとも高く感じるだけかな?)

今日はチューターも無かったので、
友だちのお家に行って話すこともできたし、漢方の先生にも見てもらえたし、コンタクトレンズもオーダーできたし…やりたかったことができて大満足です 本当に、先週ずっと分刻みのスケジュールだったので、さすがに体も悲鳴をあげています

オーストラリアで日本の薬剤師免許をオーストラリアの薬剤師免許に切り替えるためには、まずOETという英語の試験に合格して、KAPSという学科試験に合格して、インターンシップを1年経験し、その後に筆記試験と面接試験に合格しなければなりません

日本でも6年勉強したのに、オーストラリアで薬剤師として働けるようになるためには長ーいプロセスを経なければならないのです‌ 

途中であきらめたくなるほど、道は簡単ではありません‌ 私も、OETの難しさやKAPSの過酷さを経験している最中は本当に自分との闘いできつかったな 日本の国家試験は確かに大変だったけど、大学や予備校に所属していれば悩みを話せる仲間もいるというのは大きかったなぁ(今思えばの話

しかしKAPSは海外の薬剤師限定の試験なので、過去問や資料もかなり限られています。いったい何をどうやって勉強すればいいのかも分からず、かなり落ち込みました。でもオンラインで資料を集めて、後は自己学習です。KAPSはオーストラリアの薬学部5年分の知識の試験なので、これに合格すれば現地の学生同様、薬学部を卒業したのと同じとみなされます。(大学に行き直さなくてもいいということになります

前日は日本の国家試験以上に緊張しましたー。
だって2000ドルもする高額な試験なのですから(なんでも高額な国なのです

そして当日、午前と午後の2部に渡って一日中試験です。コンピューターベースなので選択問題ですが、もちろん計算問題も出ます。受験者はママ世代やご年配の方もいらっしゃったので、自分が若く感じました。(見えただけ?)

お昼に主人が外に連れ出してくれて、休憩中励ましてくれたのはありがたかったなぁ。その後の第2部が難しくて手ごたえなさ過ぎて、終わった後少ししんみりして帰ったのを覚えています。

結果は合格メールで結果が来るので、怖くて初めはチェックすることができませんでしたが、仕事の合間に別室に行って勇気を出して開いたところ、1部も2部もPASSの文字が!

亡くなった祖父が、私にもう一度臨床に戻るように言ってくれているようにしか思えませんでした。何より努力が報われて嬉しい!学生の時、勉強しすぎだとまわりから思われることもありましたが、あの時120%やっていたからこそ、2年以上たっても記憶は多少残っているのだと思います。
ーやったことは絶対無駄にならない
そう信じたかったけど信じて来れなかった今までの人生。
やっと、それが本当であることを自分で自分に証明できました。

「こんなことやっても意味あるのかなぁー?」と思う事、多々ありましたが、

やってる事に無駄はない。
必ずどこかで役にたつ!

のだと思います☆彡

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