オーストラリアで薬剤師

オーストラリアでの日常、薬剤師キャリア&子育てについて綴っています♪ 

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留学

前回書いた医療英語とOET~保存版~の続きです

私は過去2回、OETを受けました。

1回目は2015年。

そして2回目は2017年。2回目は、1回目の結果の “有効期限” がインターンシップをする前に切れてしまい、合格していたのに受け直さないといけない羽目になったのでした

OETを受ける人はオーストラリアだけでなく世界中にも沢山いますが、やっぱりナースやドクターが多く、薬剤師は本当に“レア”です。笑

OETのコースを受けていた時も、薬剤師には一人も会えませんでした。(タイミングが合わなかったのもあるのでしょうが、全体的に薬剤師の人は非常に少ないそうです。)なので、スピーキングの部分でペアを組んで練習する時も、薬剤師の人がいないので、ナースやドクターに患者の役をやってもらっていました。

とにかく薬剤師の情報が無い

ネットで情報を調べても、ナースさんのためのOET情報はあっても、薬剤師と入れると途端に検索に引っかからないんですよね

以前からOETや英語についての質問も頂くので、

私があの時に「あったらいいな~」と思っていたことを思い出しながら、

今回は前回の医療英語とOETの記事の『薬剤師に特化したバージョン』として、実際に例を出しながらお届けしたいと思います

医療英語を勉強している方や、OETをこれから実際に受けようとしている方に、このブログが少しでも役に立ってくれるといいなぁと思っています

リスニングリーディングは、全職種に共通です。
なので情報は色々出ていると思います

リーディングに関しては、PartBは専門的な用語が多いですが、練習さえすれば 問題ないかと思います
面白いのがPartA。今回は例として『高血圧』を使いますね。
こんな感じで、高血圧に関しての記事(全く関係のない別々の記事)がText AからDまで4つ記載されています。
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Aは「毎日コップ一杯のビートルートジュースが、血圧を下げる」という研究結果の話
Bは「Renal denervation(腎除神経カテーテル術)が血圧を下げる」という話
Cは「高血圧の原因リスト」
Dは「アメリカの食事(塩分)と高血圧の関係」です。

回答用紙にはこんな感じで、A~Dの記事のサマリー(まとめ)が書いてあり、所々に空欄があります。
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こんな感じのサマリーが2ページに渡って書かれています。Text A~Dを読んで、このサマリーの空欄に当てはまる単語を書かなくてはいけません。
このサマリーは、A~Dの内容が順番に要約されているのではなく、ごちゃまぜなんですなので、簡単にコピー&ペーストできる問題ではないんですね

始めのパラグラフは、Text Aから始まると思いきや、いきなりText Dの内容のサマリーです。
Affecting as much as (1) people in the United states alone, high blood pressure , also known as (2) is a serious issue.
(1)に入るのは70million。これはわかりやすいですね。Text Bの第3パラグラフに書いてある内容です。
(2)に入るのはhypertensionです。テキストにはhigh blood pressure or hypertensionと書かれていますし、読まなくても知っていればわかる問題ですが、読んでいる間に4つの記事では「高血圧」を2種類の呼び方で書かれている(high blood pressureとhypertension)ことにも気づかれましたか?

The condition occurs when blood (3) through the arteries and heart too strongly.
これは次の文章で、高血圧の病態を説明しています。
病態が説明されているのも、Bの第3パラグラフ。hypertension - which makes the body pump blood too strongly through the arteries and heart. という文章から(3)に入る単語を考えます。

(3) の答えは " is pumped"です。pump や pumpsはバツになってしまいます。
単語が1つだとは限らないのがこのPart Aのニクい所。
記事では hypertension makes the body pump blood (高血圧によって、体は血液を送り出す)ですが
サマリーではwhen blood (3) through the arteries (血液が動脈を通って送り出される時)となり、「受身形」で答えなければなりません。なので" be pumped " となり、文章に合わせる形にすると”is pumped"になります。

Part Aでは読む速さも必要ですが、必要な情報をパッパッ!とスキャンするように拾っていくスキルが求められます。サマリーでは文章ごとに記事AからC、そしてまたA・・・のようにランダムに飛びます。笑
内容だけでなく、文章の構造までもよーく理解しないと正解が出せないため、本当の読解力が試されるなぁと思います。文章をコピー&ペーストするのではなく、違う言葉で言い換えるという“パラフレーズ” するスキルは、現場に出た後にも役に立ちます


OETのライティングは、手紙です。実際の問題の例を、日本語訳で載せてみますね↓

例)本日、Mrs.Daniels (78歳男性)があなたの薬局に「2-3日前から始まった湿疹」に効く薬を買いに来ました。その湿疹は境界がはっきりしていて、かきむしったところ以外は赤くなく、でも少し隆起しています。その湿疹は主に上半身に集中しており、上腕と足にも少し広がっています。Mrs.Danielsによると、ガーデニングなどはしておらず、湿疹の原因はわからないと言っています。さらに質問したところ、食事の変化もなく、洗たく洗剤や石鹸、香水など肌につけるものは過去数か月一切変えていないという事です。

薬歴によると、Mrs.Danielsは高血圧のためにベラパミルを処方されていましたが、2週間前に副作用が出てから最近ACE-IのDrug-Xを服用し始めました。

Medication history for Mrs.Daniels: (薬歴)
17/02/10 Drug X 5mg 1bd
11/02/10 Indapamide 2.5mg 1d
26/01/10 Verapamil 80mg 1bd
09/01/10 Nitrazepam 5mg 1n

その下に、Drug Xの添付文書的な物が掲載されています。
例えばindication(適応):Hyperhension, cardiac failure(高血圧、心不全)とか
   Adverse reactions(副作用):Hypotension(低血圧)、Rash occurred in 10% of patients(10%の患者に湿疹が起こり得る)とか。その他諸々。
とにかくDrug Xの情報がいっぱい書いてあります。

(ここまでは前置きです。)
で、問題文が書いてあります↓
You suspect an ADR (Adverse drug reaction)to the ACE inhibitor and decide on the following course of action:(あなたはこの湿疹がACE阻害薬による副作用だと疑い、以下の対応をとります。)
・Mrs. Danielsにすぐにドクターにかかるようにアドバイスする。
・ドクターにこのことを伝える。
・かゆみ止めとして0.5%ヒドロコルチゾンクリームを勧める
・今回の副作用を、住所:○○××△△あてに○○機関に報告する

課題:
副作用データバンク(機関の名前)に今回の副作用について報告する手紙を書きなさい。(180-200単語)


どうでしょう?
結構リアルですよね!実際に起こりそうなシチュエーションです。
OETはあくまでも英語の試験なので、例え「湿疹=ACE-Iの副作用」ということがわからなかったとしても、添付文書の中に書いてあります。笑 

これは特殊な例題だと思いますが、
「耳の悪い患者さんに、手紙で副作用について伝えなさい」とか、
「○○という症状が出ている患者さんが病院に行きたがらないので、ドクターにつれていくように患者の家族に手紙を書きなさい」とか
「最近引っ越しして、うちの薬局に新しく来た患者さんの情報を、門前のドクターに伝えるための手紙を書きなさい」とか、実際起こり得る場面が盛りだくさん。

試験ではリーディングタイムが5分間与えられるので、その間にざっと全ての情報に目を通し、残り40分間で手紙を書きます。たくさんの情報の中から、必要な情報を短時間でピックアップして、それを適切な言葉で文章にするっていうのは思ったより難しいと思う人も多いのではないでしょうか。
すごくいい練習になると思います。


おそらく皆さんが一番気になるのが、スピーキングではないでしょうか。
スピーキングはロールプレイを2回行います。それぞれロールプレイ用のカードが渡され、カードには以下のようなことが書かれています。

例)患者さんが目の症状で薬局に来ました。目は赤く、かゆみもあり、ゴロゴロした感じもあり、涙が止まらないと言っています。目ヤニはありません。あなたはこの患者の症状をRed eyeだと判断しました。

課題:
・Red eyeという症状である可能性があるということ、感染症やアレルギーなどの原因があることを患者に伝えなさい。
・患者を安心させ、○○という目薬(薬名:××)を勧めなさい。
・その目薬を使えば、目の赤みやかゆみは治まり、結婚式までには症状は改善するということを伝え安心させなさい。
・その目薬は、1週間以上使用しないこと、そしてもし症状が改善しない場合は医者にかかることを説明しなさい。
・その目薬は心臓に病気を抱えている人には使用してはいけないことを説明しなさい。

ここでは3分間のリーディングタイムが与えられるので、ざっと目を通し、何を聞かなきゃいけないのか、言わなきゃいけないのかを整理します。(その間、鉛筆でメモをとってもOKです)課題のドットポイントを読んでいる時に、「この患者さんは(自分か他人かはわからないけれど)結婚式に出る予定なんだなぁ」とか想像するわけです。

リーディングタイムが終わったら、会話開始
どうやって会話を始めるかは人それぞれですが、例えば
Hi, I am ○○, a pharmacist here. How may I help you today?みたいに始めるわけです。
そうすると患者さんがI have got an itchy, red eyes.というようにに答えてくれます。

患者さんも『患者カード』に書かれているシナリオで演じてくれるので、
一体どういう人なのか、どういった背景なのか、心配なことはないか等、どんどん質問して掘り出していくような、ゲーム感覚
でもこなさないといけない課題は決まっているので、そこは割り切ることも大切。

どんなに専門的なことを説明しても、ここでは点にはならないし、それで時間オーバーしてしまったらもったいないのでそこも注意が必要です。

うーん、難しいですが、これは『慣れ』です。薬学4年生で行うOSCEのロールプレイの英語版みたいな感じです。

ここで見られているのは “英語がどれだけ流暢か” もそうですが、コミュニケーション力も大いに評価されます。課題にあるドットポイントを全てカバーしたいのは山々ですが、それをこなすことだけに集中すると会話が不自然になってしまうのでそれは避けたいところです。

課題として記載されていなくても、
When did it start?(症状はいつ始まりましたか?)とか、Have you tried anything for it? (何か薬を試されましたか?)みたいなことも聞いた方が絶対会話がスムーズになります

これも英語力を見られる試験なので、勧めるOTC薬の名前や効能などは、渡されるカードにすべて書いてあります。
課題には「安心させなさい(Reassure)」とあるので、患者さんは不安を抱えてる設定なのも読み取れます。そこをどうやって安心させるかも、コミュニケーション力として見られています。

シナリオによっては、患者さんが憤慨していたり、あまり話したがらない場合も考えられるので、色んなケースを念頭に練習すると良いと思います。コミュニケーションなので、逆に一方的にベラベラ話して、患者さんが全く話せない状況を作ってしまうのはマイナスです

このロールプレイは、本当に薬局で初めて出会った患者さんに質問する感じです。

薬剤師ってある意味フロントラインなので、日々様々な症状に出くわしますよね。なので、どんな患者さんが来るのか、どんな症状で来るのか・・・すごく範囲が広いんですだからこそできる限り多くのシチュエーションを練習することが求められます。なので医療従事者の中でも、薬剤師がOETで一番難しいとも言われています。

でも、このロールプレイはすごく勉強になりますよ☆

薬学部の英語の授業を、このOETのようなカリキュラムにすべきだと思います。
私が学生だった時の薬学部の医療英語のカリキュラムは、残念ながら現場で全く役に立たない内容でした本気でグローバル化に対応できるような薬剤師を育てたいならば、教育を全面改訂すべきだと思います。


日本にいながらこのOETのプログラムに沿った勉強ができるオンライン講座
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OETというのはOcupational English Testと言い、医療従事者のための英語の試験のことです。

日本で取った医療系の免許をオーストラリアで書き換えるには、IELTSでもOETでも良いのですが、一定以上のスコアを満たさなければなりません。
もちろん、私も受けました‌(以前のOET関係の記事はこちら)


OETの特徴は、その他の試験と比べて英語試験の出題内容が『医療系』に特化しているところなんですなので、医療系の方は現場で慣れ親しんでいるシチュエーションが多く、「IELTSよりも点が取りやすい」という方もいます。

「OET」の画像検索結果


英語の試験というと、IELTSやTOEIC、TOEFLなど様々な試験があります。海外の大学・大学院入学のために必要なスコアがそれぞれ決められていたり、就職や仕事で必要な人もいれば、趣味で英語を勉強されていてそのプログレスをはかるために受ける方など、様々です
でも、もし今日本で医療に関わっていらっしゃる方で、仕事や現場で使える英語を学びたい!と思っている方がいたら、私は断然OETをおススメします‌ 
実際に試験を受けなくても(本当は受けたほうが良いですが)、OETのための勉強をすると現場で使える英語力が確実にアップすると思います

医療従事者が求められている英語力って、もちろんミスは許されないし、現場のスピードは速いし、ハードルが高いことは確かですでも実は英語がペラペラだからって、それが医療現場で使える英語力か?と言われたら違うんです。


まず、OETの試験内容について見てみましょう
今回は詳細に書こうと思いますので、是非参考になると嬉しいです

OET試験は、4つの分野(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)に別れていて、内容は医療従事者が日常的な業務の中で取り交わされるシチュエーションを想定されたものになっています。

リスニング(所要時間 約50分)
これは各職別共通問題です。
PartA(約29分)医療従事者と患者との会話のやり取りを聞きながらノート(メモ)を取り、その後に出題される問題をノートを参考に答える

PartB(約30分) 医療関連の談話や講義を聞き取り、選択肢からの設問に答える

PartAはドクターと患者の診察室での会話かもしれないし、歯医者と患者かもしれません。例えば実際の現場で、自分が初めて会う患者さんと会話する時に、話をしながらメモを取るシチュエーションの設定になっています。 

PartBは、自分が海外の大学や大学院で講義を聴きながらノートにメモを取っていく、または学会やセミナーに参加して、レクチャー内容をメモするようなイメージです。そして聞くと同時に質問を読んで、解答を書くというハイレベルなものです。
どんな内容の講義かは本番までわからないのがドキドキしますが、ここでは幅広ーい医療のトピックから選択されるため、自分がどれだけ医療英語だけでなく『医療』に詳しいか、も個人的には重要だと思います。PartBはスピードも速く、メモするスピードも求められるという一番難易度の高い所
かなり練習が必要です
このリスニングは、誰もが一度はその難しさに落ち込む分野でもあります。(大丈夫、あなただけじゃないですよ!)ですが、このリスニング問題は実際の現場で起こり得るシチュエーションを非常にうまくシュミレーションしているなぁと感心するところでもあります。

リーディング(所要時間 1時間)
こちらも各職別共通問題です。
PartA (約15分)医療関連の記述を読み込み、欠落した単語などを記入して要約を完成させる
PartB (約45分)長文の医療関連の記述を読み、複数の選択肢の設問に答える

日本人は高校や大学受験、海外文献を読むことなどで読解力は優れている方が多いと思います。ですのでPartBは得意な方が多いはずです。
結構難しいのがPartA。同じ意味の文章を違う言葉で書き換えられていたりするので、ものすごく引っかかりやすいんです。しかも欠落した単語が一つの場合もあるし、3単語書かなければならない場合もあります。これこそ、本当の読解力が試されるところだと思います。

ライティング(所要時間 45分)
こちらは職種によって与えられる課題が違います。各職種における代表的な状況を元に、課題が出題されます。

手紙や紹介状、職業によっては特殊な書類(転院通知書や患者や介護者などへの助言)などを時間内に作成します。薬剤師の場合は、ドクターへの手紙、患者への薬の説明等々。状況を理解して、限られた時間に適切な言葉で明確に書く事が求められます。

スピーキング(所要時間 約20分)
こちらも職種によって課題が異なり、個室に入って2つのロールプレイが実施されます。
相手が患者や顧客、または時には親戚や介護者を演じますので、医療従事者として専門的で適切な応対をすることが求められます。誰もが緊張するスピーキングですが、本当に現場でありうる場面を上手くシュミレーションしていると思います。

個人的に、OETは医療関係者に本当におススメです。
大学時代にTOEICの分厚い参考書を買って勉強している薬学生の子もいましたが、正直スコアをレジュメに書くことができるぐらいの利点しか思い浮かびません!(ごめんなさいっ
私は高校留学中~大学1年の間に何回かTOEICを取りましたが、それも大学入試の際に必要だったから&大学の英語の単位が免除されたからという理由で受けていました

そしてさらに正直な所を言うと、TOEICはスピーキングが無いため、実際の英語力をはかることは難しいと思います。

OETの長所ばかり書いてきましたが、欠点はズバリ、
試験費用が高いこと!それがきついんですよね・・・。
それさえ無かったら状況構わず薬学生&薬剤師の方、医療従事者皆さんにおススメするんだけどなぁ。


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救急で「三日後に血液検査に来て」と言われた私。(詳しくはPart 2を読んでください)

血液検査の日は、半日仕事に行ってそのまま病院へ

救急で結果を聞いた時に、担当ドクターから色々とコツを聞いたんです。
産婦人科系はやっぱり検査⇔診察の繰り返しなので、時間がかかる、と。

普通、病院事情を知らないので、病院内のシステムがどうなっているかなんてわからないですよね

コツというのは、どうしたら早く結果を聞けるか、ということなんですけどね。そうじゃないと診察して、血液検査に回されて、また結果を聞きに別の日に診察の予約を取らないといけなくなります。

今回、自分が実際にやってみたからわかったのですが、オーストラリアの医療システムって、知らないとすごく『時間ロス』したり『損』しちゃう場合があるんだなぁ~と学ばせてもらいました。

本当に、実体験してわかることも沢山あります。

モナッシュ大学病院に入るのが初めてだったので、日本の大学病院みたいなのを想像していたのですが、人が多すぎてよくわからない‌なので受付に行って、救急で渡された書類をすべて見せて、どこに行ったらよいのかを聞くことにしました。

Bleeding in early pregnancyという分野らしいですが、それしか書類にかいてなかったし...

産婦人科だろうなぁとは思っていましたが、それが産婦人科として受付しているのか、それとも別々なのかもわからなかったので

結局、クリニックDという場所にたどり着き(産婦人科(だと思う))、その間に横にあるpathologyで血液検査をしてから、産婦人科で受付を済ませ、待つことに。

その間に病院内を散策。カフェやフードコートを見て回りました。
それでも時間を持て余し、結局座って待つことになりました。

つくづく思うのですが、産婦人科って、すごく複雑な場所です。

お腹の大きい妊婦さんもいれば、すこしお腹がふっくらしている人、まだ全くお腹が目立たない人もいるし、女性一人の場合も多いし、カップルで座っている人もいます。

これまでの赤ちゃんのエコー写真を見ながら、資料を整理整頓している人もいれば、携帯で動画見ている人もいるし、硬い表情で待っている人もいます。

この中には、
臨んだ妊娠もあれば、
臨んでいなかった妊娠もあるだろうし、
妊娠したくてもなかなか妊娠できない人もいる。
妊娠の途中で赤ちゃんに何か病気が見つかったりするケースなんかもあるのだろうなぁ。

妊娠以外にも、
女性ならではの病気で 受診している人もいるし、赤ちゃんじゃなくて自分の命を守るために病と闘っている人もいる。

なぜか物心ついた頃から、産婦人科はそう言う意味で残酷な場所だなぁと思っていました。

ある人達の立場からすると、
すごく酷なことだと思うけど、

忘れちゃいけないのは『それぞれ色んな人生ストーリーがある』ってことです。

結局 外から見てもその一人一人の本当のところの人生ストーリーは分からないんです。

嬉しそうに見えるだけで、本当は違うかもしれないし、本当のところは外から見ることはできない。

私たちの脳が『きっと〇〇だろう』と勝手にストーリーを作って、そうだと思い込んじゃって、結果的に自分を苦しめたり、他人を憎んだりしてしまう事がほとんどなのだろうなぁ。

The grass is always greener on the other side.
隣りの芝生は青く見える

これなのだと思います。

私は外からどう見えたのかな?なーんて、少しだけ思ってみながら、そういう事を考えました。(予約の時間を過ぎてからの待ち時間が長かった〜)

診察室がいくつもあって、どこから呼ばれるかわからなかったのですが、他の人が呼ばれるたびにちらっと見えるドクターの顔を見ながら、「あの人はなんか怖そうだなぁ」とか思いながら待っていました(笑)(やっぱり見た目で脳が勝手に判断しちゃってしまっていることを実感。笑)

時間になってもなかなか呼ばれず、「血液検査結果を待っているのかな?」と思ったり。

そしてやっと名前が呼ばれ、(こっちではドクター自らが患者を呼びに行きます。)
私の担当は、とても優しそうな雰囲気のドクターでした。

診察室に入ると、これまでの経緯と共に、
優しい物腰で「初めての妊娠?」とか「子どもは望んでるの?」とか聞かれました。

それからI'm sorry to say that... it looks like the pregnancy is not happening in your womb this time. Your hCG has dropped to ○○. I'm sorry to tell you this.(残念だけど、hCGの値が○○まで下がっているから、今回の妊娠は望めないみたい。)との言葉。

子宮外妊娠の疑いが減ったのは良かった!
でもまだ完全にhCGの値が下がりきっていないので、それが下がるまでは通院が必要な事と、完全に子宮外妊娠の可能性を排除するために超音波検査を受けないといけないこと等を言われました。

「今後しばらく妊娠できないようにするための薬も出せるけどどうする?」と言ってくれたり
(なるほど、これがトラウマになる人もいるんだろうな、と全く初めての経験なので医療従事者としても色々気づきがあります。)、

「PCOSと流産は関係ないからね!」と言ってくれたり、

ドクターは所々で私を慰めようとしてくれたんだなぁ。

病室に入った時も、結果から話すのではなく、これまでの経緯や患者の気持ちを聞いたりしてから本題に話を持って行ったところも、さすがスペシャリストだと思いました。

産婦人科でこういう場面は日常茶飯事だろうし、外国はすごく感情を表す人たちも多いだろうし、
きっと私は何も顔に出なかったので、あれ?っと思われたかも。

とりあえず、超音波検査(エコー)の受付に行って予約をとり、また産婦人科に戻って次の診察の予約を取って・・・

予約、予約、予約・・・で頭がいっぱいになりながらの帰宅。

子宮外妊娠で祖母が昔大変な思いをしたという話を聞いていたので、子宮外妊娠の可能性が低いことがわかり、内心少しホッとした所があります。

そしてやっと救急に運ばれてからのゴタゴタから一息ついたというか、それでもなんか心にポッカリとできてしまった穴。

そう、私の初めての妊娠は、流産に終わったのでした。






Hospital, Emergency Room, Entrance, Sign
(写真はイメージです)


救急に入ると、待合室は人でごった返し、しかも受付にはものすごい人数の人が並んでいます。
とりあえず受付でナースに診断書を見せ、状況や症状を説明します。(こんな展開になるなんて予想していなかったのですが、至って冷静な自分です。)

そこでナースが症状をコンピューターに入力していきます。(ここで症状の重篤度をチェックされ、緊急度を判断するのだと思います。)
そして隣のブースに並び、連絡先や住所、付き添いの人の名前や連絡先などを聞かれ、受付の人がシステムに打ち込んでいきます。

その間、隣の受付では「一体何時間待たせるんだよ!!」と怒鳴り散らす患者さんや患者さんの家族…。

救急で働く医療関係者の人ってものすごいストレス下で働いているんですよね。本当にすごいなぁと、毎回思います。


入力されると、手首に名前と患者番号が書かれたバンドがつけられます。症状が軽い人の場合、追い返されることもあります。


というのも、救急はメディケア(オーストラリアの医療保険)があれば、全て無料で処置や検査が行われるため、医療費の高いオーストラリアではそれを目的に救急に来る人もいるからです。
なのでバンドがつけられた時点で、緊急性があると判断され、その日のうちにドクターによって処置を行わなければならない患者リストの一人になるわけです。言い換えれば、病院はバンドを付けた時点で、その患者を見捨てることができないのです。つき付き添いの人には、visitorと書かれたオレンジ色のシールを服の上に貼ります。

今回、待合室には比較的元気そうで携帯で動画を見ている人もいれば、怪我してる人、車椅子で運ばれてきている人など様々。

これから長期戦になるのは予想していたので、携帯の充電が切れそう...と言ってた旦那に一旦家に戻ってもらい、充電器を取りに行くついでに上着や食べ物を持ってきてもらうことに。何時間待つんだろう...と思いながらも待つこと1時間半。

名前が呼ばれ、中に通されました。

モニターに映し出されていた平均待ち時間は4時間以上!
私より先に救急に来ていた人よりも早く名前が呼ばれたので、優先してくれたのだと思います。

中に入ると、救急担当のドクターがこれから行う処置について説明してくれ、ナースが来てくれるまでひたすら待ちます。その待っている間に旦那が病院に到着。

ナースに呼ばれ、奥の空いている個室で状況を話し、血圧や体温など計ってから血液検査。

普段は大ぜいの人が待っている待合室で行われるのですが、状況が結構センシティブなのでプライベートな個室でやってくれました。

血液検査ではhCGというホルモンの値を調べます。hCGは胎盤から出るホルモンで、妊娠していると血中、尿中で検出されます。言い換えれば、胎盤が無ければ、hCGは出ないわけです。

あとはきっと超音波検査とかになるのでしょうが、この血液検査の結果が出なければ何もできないということで、ひたすら結果を待つのみ。その間に担当ドクターからまた個室に呼ばれ、診察を受けます。

Dr. : What brought you here today?(どうして救急に運ばれたのか、教えてくれる?)
から始まり、子宮外妊娠と流産の可能性を話してくれました。

個室からまた出て、椅子に座って待つことさらに2時間。人がいっぱいで、ベットに空きが無かったし、外の待合室は夕方にかけてさらに患者さんが多くなって大変そうでした。横になりたかったけど、仕方ないです。そしてまたナースさんが来て、もう一度血液検査をするとのことで、個室に呼ばれます。

「さっきも血液検査したけど、今度は何の血液検査ですか?」と聞いたところ、
「輸血が必要な場合を想定しての、血液型などを調べる検査よ。」と言われました。

骨盤出血している可能性のある場合は、念のために行っておくそうです。
(そうそう、そういえばオーストラリア人って、自分の血液型を知らない人が多いんですよ。)
なるほど~。

そして、まだhCGの結果が出ておらず、さらに待つこと2時間弱。

救急に来たときは、予想外の事態で頭も覚醒してしまい、痛みもそこまで感じることなく過ごせたのですが、もうこの頃には待ちくたびれて『早く帰りたい!』しか考えていませんでした。(笑)

やっとドクターに呼ばれて個室に入り(「個室」とありますが、毎回違う個室です。)
結果を聞きます。

Dr. : Well.., your hCG is elevated so you might still be pregnant or having miscarriage at the morment. We need to have a further investigation. I need you to come back in three days time to do the another blood test.(やっぱりhCGの値が上昇しているから、まだ妊娠してるかもしれないわ。それか、今流産してる可能性も否定できないの。だから三日後にまた病院に来てちょうだい。血液検査するから。)

結局、妊娠していたことは確定。
でもこの事件が起こる前のデータが何もないため、子宮外妊娠なのか流産なのかは判断できないのですね。もし三日後にhCGがさらに上昇していたら、子宮外妊娠を疑わないといけないし、もし低下していたら流産ということになります。

三日後って、仕事また変わってもらわないといけないなぁ…
でも、言わなきゃ!

帰宅したのが7時半過ぎだったので、6時間半ぐらい救急にいたことになります。
とりあえず、他の薬剤師に状況を説明して、翌週の血液検査の日に半日休みがとりたいことを伝えました。


Part 3へ続く

今日は、とっても嬉しい事がありました

なんと、ある日本人の方がわざわざ私に会うために、私が働いている薬局まで足を運んでくださいました

しかもこのブログを読んでくださっているなんて・・・本当に感謝です☆
素晴らしい行動力もある方なんだなぁと思いました
(素敵なお菓子までいただき、本当にありがとうございます

その方も、日本で薬剤師をされていたそうです。お話しできてとても楽しかったです

こうやって地味に始めたブログから、このような素敵なご縁が広がって嬉しいです

近いうちにメルボルンに住んでいる日本人の薬剤師の方・オーストラリアの薬局・医療関係に興味がある方を対象にしたお茶会やお話会を開催しようと思っています。きっとオーストラリアで薬剤師免許をゲットしたいと思っている方もいるだろうし、医療英語を勉強中の方でもっとブラッシュアップしたいと思っている方もいるだろうし…。全く違うことがしたくて、この先の進路に悩んでいる方もいるだろうし…。

海外生活って、本当に体当たりの連続だと思うんです。ぶち当たる壁の多い事
私もめっちゃ未熟だった高校一年生の時に渡豪し、そんな歯がゆい経験をずっとしてきました。だから何か力になれるといいなぁと思っています。(力になるなんてすごく大袈裟に聞こえてしまうかもしれませんが、色々な人が集まればそれだけアイディアも出るし、何かのきっかけづくりにはなると思うんです。)

様々な質問やメッセージを頂き、とっても嬉しい&ちゃんと返信したい思いは山々なのですが、中々返信が追い付かずにいます。本当に申し訳ないです
皆さんが疑問に思う事って、大抵の方も同じ疑問を抱いていらっしゃるんですよね。それをシェアできたらいいなぁと思っています。
もちろん日本に在住の方もいらっしゃるので、その場合はzoomでのビデオチャット機能を使ってお話しすることも考えています。

また詳細が決まりましたらお知らせします。
もしも何かご希望やアイディア等あれば是非教えてください。そして「こんなことを話してほしい」というご要望もあれば是非教えてください‌ 
よろしくお願いします



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